公務員の技術職とは?|試験内容や業務内容について解説します!

公務員には技術職と呼ばれる職種があります。その名のとおり技術的な業務を行う職種なのですが、具体的にはどのような職種があるのでしょうか。

この記事では、技術職の種類や受験資格、採用試験などの詳細についてご紹介します。

また、元技術職公務員として勤務していた筆者の経験より、給料や技術職の実態についてもまとめました。

これから公務員の技術職を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください!

技術職の種類は?

国や都道府県、市町村などによって採用している技術職は異なりますが、一般的には以下のような技術職が存在します。

技術職の種類
  • 土木職
  • 建築職
  • 電気職
  • 機械職
  • 化学職
  • その他技術職

土木職

道路や河川、港湾、上下水道管などの維持管理及び工事監督を行います。

一般的に、公務員の技術職の中で比較的職員数が多い職種です。

建築職

保有施設や庁舎の建築設備について、維持管理及び工事監督を行います。

一昔前は、新しい公共施設を設計して建設するという業務が多かったですが、現在はメンテナンスや部分的な改修工事の業務が中心となっています。

電気職

保有施設や庁舎の建築設備について、維持管理及び工事監督を行います。

自治体によっては、地方公営企業として上下水道・ガス・電気などのインフラ事業を行なっており、これらにかかる電気設備のメンテナンスや、運転管理を行う場合もあります。

機械職

保有施設や庁舎の建築設備について、維持管理及び工事監督を行います。

電気職と同じく、自治体によってはインフラ事業に係る機械設備のメンテナンスや、運転管理を行う場合もあります。

化学職

化学薬品の取り扱いや、水質の分析を行う施設などの管理・監督を行います。

また、保有施設におけるCO2の排出量やアスベストの有無など、環境に関わる調査も行う場合もあります。

その他技術職

林学、農学、畜産、水産などの技術職を採用している自治体もあります。

技術職の受験資格は?

技術職公務員の受験資格はどのようになっているのでしょうか。

基本的には、高卒(地方初級、国家Ⅲ種)・短大卒(地方中級、国家Ⅱ種)・大卒(地方上級、国家Ⅰ種)いずれにおいても、受験を希望する分野の高校・短大・大学を卒業していることが必須です。

例えば、地方初級の土木職を受験したい場合は高校の土木系学科、地方上級の電気職を受験したい場合は大学の電気系学科を卒業している必要があります。

ちなみに公務員試験においては、仮に大学を卒業している場合、区分を下げて高卒や短大卒の職種を受験することはできません。自分が卒業した区分の試験のみ受験ができます。

技術職の採用試験はどんな内容?

技術職公務員の採用試験は、筆記試験、面接試験及びグループディスカッションがあります。それぞれの詳細は以下のとおりです。

筆記試験

技術職の筆記試験では、教養試験や適性試験のようなどの職種でも受ける科目の他に、各職種に応じた専門試験を受けます。

基本的には、最終学歴の高校・短大・大学で学んだ内容が出題されるので、復習の要領で勉強をすれば問題はないでしょう。

面接試験

面接試験は他の職種と同じように実施されます。公務員試験の面接はおおよそ2〜3回実施されるところが多いです。

「最近本は読みましたか?」「料理はしますか?」などの基本的なことから、「○○(分野)のどのような点が好きで学んできたのですか?」など自分が学んでいる分野について聞かれたりします。

グループディスカッション

10人程度のグループに分けられ、あるテーマに沿ってディスカッションを行います。

ディスカッションでは進行役書記などを決める必要があり、決めるところから試験がスタートしています。進行役になったからポイントが高いというわけではありませんが、積極的な姿勢は見せる必要があるでしょう。

ちなみに、試験官は部屋の隅でディスカッションの様子を見ており、時折歩き回って受験生の様子を近くで見たりします。

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給料は?

「技術職」と区別されるのであれば、給料も他の職種と区別されて多かったり少なかったりするの?などと気になりますよね。

結論ですが、技術職の給料は行政職・事務職などの他の職種給料と変わりません。

ただ、勤務内容によっては二交代・三交代で別途手当が支給されたりすることはあります。

技術職の実態

筆者は過去に技術系の公務員として勤務していた経歴があります。その経験をもとに、技術系公務員の実態についてご紹介します。

「技術職」という名前だが事務作業が多い

技術職と聞くと、実際に現場に行って工具や道具などを手にとって作業するイメージが強いと思います。しかし、実態は違います。

基本的に、自分でものを作ったり直したりという作業はほとんどありません。

例えば、国や県、市町村で保有している機械設備を新しく更新するとします。このような場合は、入札をかけて民間の業者と契約をした後に作業を委託することになります。

機械設備の更新自体を行うのは民間の業者なので、技術職の職員は機械を「いじる」ことはありません。

技術職の役割は、民間業者による作業が適切に行われるのかを「監督」することにあり、内容としては書類の処理などの事務作業が多くなります。(もちろん、実際に現場に出向いて作業が適切に行われているかを確認する業務もあります。)

従って、技術職と聞いて就職したはいいものの、ほぼ事務作業でガッカリしたという声も多々あります。

行政職と比べて倍率が低い傾向にある

基本的に、工学系の学校卒業したら、民間企業に就職する人が多い傾向にあります。

従って、公務員の技術職は応募する人が少ないのが実態です。

少ないとはいえ定員割れをすることはなかなかありませんが、行政職と比べると圧倒的にハードルが低いです。

まとめ

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